あとがき(『伸子』)

宮本百合子

あとがき(『伸子』)書籍情報

底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
   1981(昭和56)年5月30日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第2版第1刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房
   1953(昭和28)年1月発行
初出:「伸子」新潮文庫、新潮社
   1949(昭和24)年2月発行
入力:柴田卓治

あとがき(『伸子』) 7

宮本百合子

今から二十四年前この作品がかかれたとき、作者も読者も、「伸子」のあらゆるもがきが、日本の近代社会の隅々までをみたしている根づよい古さと中途半端な新しさとの矛盾から生れていることを、こんにちの作者と読者とが理解するようには理解していなかった。